◆保険適用となるHRT
HRTが保険適用の治療法として日本においても認められるようになったのは、更年期障害の治療効果があると確認されるようになってきた為です。
更年期障害という病気自体は古くから確認されておりましたが、その実態や治療法が確立され始めたのは近年になってからのことです。
ストレスや不安、喫煙など更年期障害を発症するリスク因子は多くありますが、やはり閉経に伴うホルモンバランスの大きな変化が様々な影響を与えていることは事実です。
これは男性も同様で、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの分泌量の低下によって男性にも更年期障害が発症する可能性が高いことも確認されております。
尚、HRTは現在アルツハイマー病の予防効果を持つ可能性があることも徐々に解明されてきております。
研究が進み、医療技術がより進展することでアルツハイマーを発症する前段階で多くの対策が行えるようになる時代も遠くないのかもしれませんね。
◆血栓症・乳がん患者は受けられない
エストロゲン血中濃度が低下すると骨が弱くなったり、自律神経系に乱れが生じます。
エストロゲン3種類の中でも最大の比率を占める主成分はエストラジオールです。
血液検査では主にエストラジオール数値の正常値の範囲を調べますが、エストラジオール血中濃度が大きく基準値を下回るような場合は更年期障害独特の症状をもたらすようになります。
また、血栓症や乳がんを発症した経験がある場合は、このHRT補充療法を受けることはできません。
これはがん細胞を増殖させたり血栓の発症リスクが高まる可能性があることが確認されている為です。